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不足する大規模修繕工事費と資金調達3つのポイント

大規模修繕工事の不足と資金調達

マンションの大規模修繕工事をするにあたって管理組合の理事さんたちの頭を最も悩ませるのは、大規模修繕の工事資金をどのように工面するかということでしょう。

勿論、工事内容ともリンクする問題です。修繕積立金が潤沢に貯まっている管理組合は稀でしょうから、管理組合が取り得る対応は、

①組合員(区分所有者)に一時金の支払いを求める
②管理組合が銀行から借り入れをする(修繕積立金を値上げして返済をする)
③工事範囲を縮小して工事金額を抑える
④以上の①~③の方策を組み合わせる、

のいずれかにならざるを得ないでしょう。

工事資金が不足しているマンションの区分所有者の中には、なぜもっと早くに管理費を削減して修繕積立金の比率を増やすなり、修繕積立金を増額するなり手当をして貯蓄をしておかなかったのかなどと、過去の理事会や管理会社を責める方もいます。

それは間違ってはいないかも知れませんが、しかし、そうは言っても、建物・設備の老朽化は止まってくれません。工事が遅れれば遅れるほど様々なリスクが待っており、一番多い故障が、外壁・サッシ周り・配管の老朽化による漏水でしょう。

日々の安全・安心、快適な生活を維持するためには、どうしても資金調達の壁を乗り越えなければならないのです。

資金調達を考えるときに考慮したい3つのポイント

1.将来の資金計画も考慮すること

大規模修繕工事の資金調達を考えるときに考慮すべきことは、当然、今回工事の範囲・価格といったことが中心になりますが、それだけではなく、次回の大規模修繕工事の資金調達をどうするかという、将来のことも考えておく必要があります。

現時点で工事資金に窮しているということは、長期修繕計画が絵に描いた餅になっているということです。これを少しでも適正なものに修正するのは「今」なのです。

2.管理コストの削減と借り入れのメリット

区分所有者から一時金を徴収して大規模修繕工事を乗り切った、それだけでは、次回の大規模修繕工事の際にも同じ苦しみを味わうことになります。修繕積立金を増やすために管理コスト削減に着手する。管理会社のリプレイスなどはその一案です。

資金調達に金融機関からの借り入れを導入した場合、返済のために各戸の修繕積立金を増額しなければなりませんが、完済後も各戸の負担する修繕積立金額を変えなければ、その後は、当然のことながら、それまで返済に充てた分が積み立てに廻り、次回の工事はずっと楽になります。

3.助成金に目を配ること

管理組合が実施する大規模修繕工事には、公共団体からの助成金が出る場合があり、これを利用しない手はありません。時期や地域、マンションの状況によって異なりますので、常に行政の動向・制度に目を配ることが必要です。

助成の予算がついたときに合わせて工事を実施するといった感覚も重要なのです。金融機関からの借入利子への補給や連帯保証料への助成などがその例です。

一時金や銀行借入について

大規模修繕の一時金と銀行借入

区分所有者の意向も含め各マンションの置かれている状況によってどの方法がよいとは一概に言えませんが、それぞれのポイントを纏めると次のようになります。

1.一時金の徴収

工事費用を管理費負担の割合と同様に按分して一時に支払う方式です。

毎月支払う修繕積立金が高くなるより、10年に1回一時金で済ませた方が楽だ、と考える区分所有者や管理組合があることも事実です。平素の小口修繕や将来の大規模修繕を念頭に置いて、なお、そのように決断するのであれば、それは一つの考え方ですが、一時に大きな額を支払うのが大変な家庭も少なくないでしょう。

一時金を徴収する場合には、可能であれば、分割払いの可能性も模索してみて下さい。大規模修繕工事の代金を工事会社に支払う時期は、契約時1/3、中間時1/3、完工時1/3という風に分割払いにできるのが普通です。

これに合わせて、区分所有者が組合に払う一時金の分割払いを設定すれば、区分所有者の負担が少しは軽減されるものと思います。

また、管理組合の収納口座・保管口座を設けている銀行等に対して、区分所有者が支払う一時金に対する融資が可能であるか確認・折衝し、区分所有者に案内してあげる努力も必要と思います。

2.借り入れ

管理組合が金融機関から借り入れをし工事費用を支払う、各戸の修繕積立金を増額して、組合が金融機関に毎月返済していく方式です。

独立行政法人住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の管理組合向けのローンが最も著名な借入先です。公益財団法人マンション管理センターによる連帯保証(有償)とセットで契約することになるでしょう。

住宅金融支援機構からの借入条件を満たさない場合には、民間のローン会社・リース会社からの借り入れを検討することになりますが、信用・規模・業歴のある会社を選ぶことが大事です。

返済期間中は各戸が支払う修繕積立金のほとんどは返済に廻ってしまいますのでなかなか積立金が増えませんが、完済後は、修繕積立金額を改定すれば、組合会計が飛躍的に楽になります。

3.一時金と借り入れの併用

工事費用の半分は一時金、残り半分は借り入れで賄うとすれば、一時の負担と毎月の修繕積立金の増額を低減することができ、各戸にとって楽になると思います。

大規模修繕の工事費不足の対策

ここでは、一時金の徴収や借入のポイントについて紹介させていただきましたが、どちらの方法もそのマンションに住んでいる管理組合、居住者の方にとって大変なものになるでしょう。

止むを得ず一時金や仮入が必要となることがあるのも事実です。しかし、早くから対応をすれば、その絶対額は少なく済むのではないでしょうか?

そのためにはマンション管理会計から改善する必要があります。管理費を見直すこと、修繕積立金を増額しておくことは、将来管理組合にとって必ず役に立つはずです。

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